花形装飾活字を愛でる その60


もっともポピュラーな使い方。 埋める、です。 紙面をある一定のパターンで埋める事で、 思いもよらない効果が発生します。 単に模様を作る動作なのですが、 密度や手法を細かに変化させることで、 いろいろなイメージを楽しむ事が出来ます。 四角で抜く事で文字を入れれますし、 その際のサイズや、 模様と抜けた部分との比率によっては、 情報そのものを囲う要素と、 それを埋める要素との加減で、 まったく違った見栄えになります。 1つ注意しなければならないのは、 その装飾の選定です。 紙面のサイズや情報の量のバランスをキチンと捉え、 装飾の魅力と情報の伝達の一番良い具合を見つける事が重要です。 また、 紙面のサイズと装飾を配する場合のバランスにも気を配るべきです。 基本は中心を保つ事にあります。 情報が入る事で、 抜いたり配置しない箇所がある場合に、 紙面に対して見え隠れする部分がどの部分にあたるのかは、 ただ並べるのではなく、 バランスを意識した配置をした方がより美しくなります。



花形装飾活字を愛でる その59


流れを考えます。 これまでの事をフル活用した上で、 これについても気を使ってみましょう。 版にはそれぞれがそれぞれに役割とイメージがあります。 花形装飾活字は造形を知る旅でもあります。 その造形を知る事で、 自ずとその装飾の特性を知る事が出来ます。 その特性を知る事で、 自分だけの使い方もまた容易になります。 それについては、 ずっと書き及んでますが、 いろいろ繋げて楽しんでみましょう。 繋いだ時に、 どうも繋がらないものもあれば、 バッチリ繋がるものもあります。 それは版の形を知り、 そのイメージを知る事で、 自然な流れに気を使った組み方が出来ますので、 是非、いろいろ試してみてください。



花形装飾活字を愛でる その58

番外編です。 今現在、 印刷または出力と呼ばれる技法は多岐に渡っています。 そしてその全てに共通(特殊な一部を除く)して言える事は、 コンピュータを介してるという事。 この現状は発展的に言えば、 その作業をスムーズにし、 日本人特有の職人イズムを沸き立たせるに充分であったと思います。 作業の単純化、分担化。 中でもレーザープリンタは大きな開発でした。 コンピュータを介し、 組版でも写植でもない、 タイムログを無くしたアウトプットによる確認。 これは革命であり、 イメージがすぐに形になるというのは、 グラフィックデザイナーへの負担が激減します。 誰もがコンピュータに触れる事が出来、 ソフトウェアも安価なもの、 高価なものでも少し頑張れば手に入るようになりました。 作業は簡略化され、 誰もがグラフィックデザインに触れ、 文字や書体を操り写真やイラストで飾る時代が来ました。 が、 肝心の技能は上がったと言えるでしょうか。 問題は手間を省ききった結果が今を圧巻している事にあります。 何故、 その部分が簡単になり便利になったのか、 それさえ汲み取らずに制作しているのが実際なのでしょう。 それはアマやプロに関わらず、 ほとんどがそのような状況であると断言します。 グラフィックデザイナーとしての価値を、 職業意識でしか維持出来ない事に疑問は感じないのでしょうか。 イメージばかりが先行してはいないでしょうか。 もう一度フォーマットから見直すべきです。 そして、 花形装飾活字程のフォーマットを、 コンピュータで作る事は尋常ではありません。 今回の場合は既にあるものを復刻したに過ぎませんが、 もしこれを今、現在に照らし合わせ現在のものとして、 新たに作る場合に、 「コンピュータ」は非常に役に立つと思います。 それを利用する可能性は、 わざわざ鉛や銀で、版を彫るよりも格段に上なのです。 写真という可能性はコンピュータで語られてきました。 これこそが現在におけるもっともポピュラーで新しい技法なのでしょう。 ですが、 それも限界に近づいているのではないのでしょうか。 なにかこう次の新しい一手が必要なのではと考えています。 印刷とグラフィックデザインについて探る事は重要な事でなのです。 忘れてはなりません。 グラフィックデザインの可能性はイメージを構築する事ではなく、 情報を伝える手段の可能性なのです。 そのエッセンスの新しい発想こそが、 優れたグラフィックデザインであると言えると思います。 その中で、 今は最高にいい環境であると思いませんか? しかも、しかもですよ。 そのフォーマットを容易試せる状況が、 ネットという道具の元であるというのは奇跡です。 そろそろ、 一度原点に戻って、 本気でグラフィックデザインについて考えてみませんか? 花形装飾活字はそのきっかけになる事は間違いないでしょう。



花形装飾活字を愛でる その57


ずらしましょう。 行儀よく正しく並べるのが正当ですが、 少し発想を変えて、 同じ版でも少しのズレを与えて配置する事で、 違ったイメージと変化を得る事が出来ます。 複数の版とパズルのように組み合わせる事も出来、 汎用的であるとも言えます。 注意点としては、 ずらすという事は整理性を欠くという事でもありますので、 この手法を利用する場合には、 予めの前準備をキチンと行う事が大切です。 乱用しすぎると崩れすぎますし、 少なすぎても違和感のみが先行するでしょう。



花形装飾活字を愛でる その56


ルールを作りましょう。 一定のパターンをルール化してしまう事で、 その美しさは倍増します。 意図的なランダムよりも、 ルールを作った中でのランダムの方が、 かっこよく、 こちらが意図しない事が発生する事で、 不思議な感動も味わえます。 このランダム性を楽しむにはまず、 ルールの可能性に触れて、 そこから自然的に発生したものを掬い取るようになれたら、 1つエンスヘデ活字シリーズ60の花形装飾活字の要素を、 使いこなせたと言えるでしょう。 コツとしては、 まずはパターンを決める事です。 単純に1つの版を並べて配置し、 そこから新たな無数にあるルールを作りあげていくのです。 そうすることで、 同じ種類の版を配していても、 まったくイメージの違う模様が展開されます。 ルールはイメージ作りです。 単に装飾活字の美しさを楽しむだけでなく、 意図する美しさを自分のものにする第一歩だと言えます。 是非、挑戦してみてください。



花形装飾活字を愛でる その55


最近、配布条件を読まずに、 配布についてのお問い合わせをいただく場合が多くなりまして、 それはもちろん興味を持っていただいて、 凄く嬉しいんですが、 こちらとしてもそれを伝える努力を怠っているという事でもあるので、 ここらでキチンともう一度、 配布についての詳細を書かせていただきます。 まず、 これはサービスではありません。 と言ってもボランティアでやっている訳でもありません。 著作権や版権がボクにある訳ではないし、 それがまたフリーという訳でもないのです。 なのに何故に条件提示をし、 それを設置しているのか、 というのを順を追って書いていきたいと思います。 この花形装飾活字は、 オランダのエンスヘデ地方にある(今は博物館?)エンスヘデ活字鋳造所というところで、 1820年頃の見本帳に掲載されたシリーズ60オーナメントと呼ばれるものです。 それを今回、 アドビイラストレーターを使用し1つずつのオブジェクトを、 チマチマとアウトライン化したものを配布するに至っております。 多いお問い合わせとしては、 これは違法性について大丈夫かどうかというのがあります。 多分、著作権(つまり版権)の事を指しているのだと思います。 http://homepage2.nifty.com/kurusu-patent/information_letter%20protection.htm ネットではあるのですが、 こちらのテキストを参照した場合に、 「書体とは、装飾のために文字に付与される形態をいう。」 という定義があり、 世界的にも印刷に使用される書体は著作権が認められないとしている場合が多いのです。 アメリカの場合は、 「印刷上の飾り、文字および色彩の単なる変形は、米国著作権法により保護されない。」 とされています。 このエンスヘデ活字については、 オランダのエンスヘデ地方のものであって、 欧州連合の著作権法が適用される場合もありますので、 その全てではないと考えられます。 ただ、これは解釈の問題でもあって、 個人的にはそれが印刷物の中の1つであって著作権が認められないもので、 違法性は無いのだとしても、 その敬意と尊敬は忘れてはならないと思います。 なので結論としては、 この複製する行為、配布の行為、使用する行為は、 高い確率で違法性は無いものの、 万が一に状況の変化や解釈によっては、 それも有り得るという事です。 なので使用する場合にはその責任を使用者に委ねさせていただいております。 ボク個人としても、 その著作権を主張する事はありませんし、 出来れば自由に使って欲しいという意図のものでもあります。 このデータを手に入れた段階で、 全てが使用者のものであり、 ボクのものではないという解釈で大丈夫です。 なので配布でありながら、 差し上げますというスタンスを取っているのです。 つまり自由にしていいけれど、 その責任は使用者にあるという訳です。 次に、 何故条件を付けているかについてです。 表ルートについて言えば、 欲しいという気持ちとその理由は、 人それぞれだと思います。 その思いの強さを図らせていただく為にも、 文字数を3500文字という少し書くには気合のいるギリギリの文字数にさせていただいています。 本当は出来ればフリーにて誰もが使えるようにしたいのですが、 たくさんの数が配布されて、 この装飾活字の価値が薄れてしまう事を怖れています。 その世界が広がる事は大賛成です。 たくさんの方が興味を持ち、 知ってもらう事は凄く嬉しい事なのですが、 それが乱用される事は望んでいません。 先程、書きましたが、 その為にも、 その思いの強さを図らせていただく為にも、 条件提示をさせていただいております。 3500文字は大変な文字数です。 とくに未知な花形装飾活字について書こうものなら、 物凄い努力と根性が必要だと思います。 が、 それを越えた先にそれだけのものがあると考えていただいて大丈夫です。 このデータはそれだけスゲーのです。 別に1万円くらいで売ってもいいんじゃんと言ってしまうでしょう。 それくらいスゲーぜ。 このクオリティでこれが手に入るのはまずここでしか無いし、 まず公式なルートじゃ手に入らないね絶対。 それに比べたら3500文字なんて簡単に思えるくらいです。 逆にええの!?3500文字で!?みたいなノリです。 こちらとしては、 3500文字くらい書けよな。とも言いたい感じ。 別に難しい事を書かなくってもいいんですよう。 要は思いですよ、 ハートが伝わってこりゃいいんすよ。 もちろん、裏ルートでもオッケーですよ。ゲヘゲヘ。 あ、この裏ルートはまるで袖の下扱いにしていますが、 このデータを作ったボクを祝ってくれてもいいじゃん的な意味合いが強いです。 なのでギブアンドテイクな物々交換でなくて、 よく頑張った!という労いの言葉となんかくれよ的な、 そういうイメージが嬉しいです。 心をください。 ま、それはさておき。 最後の方は文体崩れちゃいましたが、 どうでしょうか伝わりましたかね。 では、 改めまして、 http://www.fengfeeldesign.org/printers_flowers/index.html こちらを参照の上、ご応募お待ちしております。



花形装飾活字を愛でる その54


くっつける。 これもまた花形装飾活字の醍醐味です。 版によっては線で終了しているものがあり、 その線の部分と同じく線で終了している2つの版を組み合わせる事で、 くっつける事が出来ます。 これは予め用意されたものであり、 設計上で予定されたものであると考えられます。 ところにより、 くっつける作業は楽しいのですが、 気をつけなくてはいけない点が2つだけあります。 1つは目的意識をキチンと持つという事です。 実際に作業する場合に絶対にくっつける必要はないという事です、 くっつけるという事は版が2つ分になり、 イメージ的には単純に大きくなりますし、 それだけ場所もとります。 なので良く考えてここで使うんだという意識があってこそ、 このくっつける手法は使いこなせるものなのです。 失敗すると装飾のバランスを崩すだけでなく、 情報も圧迫されて読みにくくなります。 もちろん、それが意図であるという前提ですので、 圧迫する事もまた意図であれば問題はないと思います。 もう1つは、ルールの策定です。 例えば、くっつけた一組の版があるとして、 それをくっつけずに同じ場面でバラバラに使うのは、 基本も知らずに、 ジャズのソロを演奏するようなもの(スィングガールズ参照) なので止めたほうがいいでしょう。 まずは基礎をしっかり押さえて、 ルールを策定し規則正しい組版を目指しましょう。 そのなかでこのくっつけるをポイント的に置く事で綺麗に仕上がると思います。



花形装飾活字を愛でる その53


対象に配置です。 上下左右、 シンメトリー、 王道ですね。 一番簡単で工夫がいらない配置方法です。 と言ってもレベルが低いとかではなくって、 これも1つのキチンとした手法なので、 使わない事はこの装飾活字の魅力が半減になります。 例では1つのものを対象的に配していますが、 これを応用し複数で組んだものを対象的に配したり、 その中で片方に1つでだけ違うものを混ぜる事で、 一定のルールを与えると同時に、 普遍的なランダム性を構築する事が出来ます。 また、 全体を包むのか、 一部に集中したものかで、 そのイメージが大きく変わるので、 やはりこれもまた、 組む人間が変わることで、 同時にオリジナリティに影響する重要な手法だと言えます。 対象であるという事は、 中心を作りやすくバランスを取り易いので、 普通に罫線で囲むよりも、 その効果は期待出来ると思います。 ただし、 気をつけなくてはいけないのは、 一定のルールを構築しやすいので、 やりすぎると、 それが逆に飽きやすい装飾配置になってしまう事です。 ランダム性の中に隠れた一定のルールみたいな、 一定のルールの中にも少し何か工夫があれば、 もっと良くなるでしょう。



花形装飾活字を愛でる その52


罫線を利用してしまいましょう。 なんともマニュアル通り。 基本であり基礎でありベーシックであるってなもんで。 古典的で好みが分かれそうな気がしないでもない。 そもそも文章を整理するだけなら、 罫線だけで事足りる訳で、 そもそもこのエンスヘデ活字鋳造所シリーズ60は完成度が高いんです。 過去のものや完成度の低い見た目だけのものとかなら、 これは凄く使えると思います。 今回の場合は目的手法というよりかは、 形式手法に近いものいなってしまいます。 完成度の低い花形装飾活字という、 整理性を維持出来ない部分を補うために、 あくまで装飾としてとしての花形装飾活字をイメージしたものだと考えています。 が、 まあ有りっちゃありで、 花形装飾的な古典を構築するには、 そういうイメージに近づけたい時には使っていいんじゃないでしょうか。 イメージの問題。 個人的には好きです。 なんかこう、 花形装飾活字で組むというよりかは、 その1つの部品として組まれている場所があるという感じでしょうか。 大きくも出来るし、こじんまりも出来る。 制限するならこれがいいと思います。



花形装飾活字を愛でる その51


間接的な文字との連携。 言うてもそーんなに華やかさはないんですが、 これを知ってるか知ってないかで、 スゲー差が出てきます。 前はどちらかというと文字の情報に対して「階層」を付けた訳ですが、 今回は文字の情報を「分断」する方法です。 ただ、これについては、 とくに敢えて説明する事でもなく、 この4回の基本さえキチンと押さえておけば、 おのずと出来ていたりします。 が、 発想的な事なので事でもあって、 同じ技術でもその使用の範囲で利用の方法も変わってくる一例でもあります。 単に囲むのではなくって、 読者への配慮を忘れない事で、 その組み方は単に美しいだけのものでは無くなります。 技術が無くたって結局は愛なんですよね。 既にキチンと美しいものが目の前にあるので、 組むというのは何かこう造形的で専門的なような気がしますが、 本当に大切なのは気配りというか丁寧するみたいな部分で、 後は少しの工夫とアイデアがあれば、 なんとかなっちゃうんですよね。 だって既に美しいんだもん。 にしても昔の人はよく考えましたよね。 ここまで最強に完成させた言わば「素材」を予め用意しておけば、 その後はランダム性の妙で無限なバリエーション簡単組めるもんね。 時代とか技術的背景があるんでしょうけど、 下準備にどれだけ手間をかけちゃってるんでしょう。 つまり、 組む作業そのものは、 ずばり難しいものではなく、 版がしっかりしたものであればあるほど、 簡単に誰にでも出来るという事になります。 この可能性の凄さは機会があれば書くとして、 今回の間接的な文字との連携にしても、 それは変わらず。 結局は技術的な部分ではなく、 先ほども書きましたが、 どれだけ気配りと丁寧に出来るかにかかっています。 そして、 何よりも簡単なんです。 なので、 素晴らしいものではあるんですが、 その意図や少しのルールさえ踏まえておけば、 難しいものではなく誰もが使えるものなんです。 その部分を感じていただければと思います。









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