花形装飾活字を愛でる その130



止めグループは、いったん置いておきまして。 連結グループです。 まあ、この連結グループ同士のみの使用は、 まず使えないので(使っていいけど)説明は概要だけにします。 動的グループと止めグループの、 ちょうど中間を位置するのがこの連結グループです。 形状も中間、 どっちつかず。 単体では、 いわゆるなんの意味もない捨て駒です。 そうやって生まれた可哀そうな彼らですが、 実は、 これから色々と連携をしていく上で非常に重要なポジションに起ちます。 というのは、 クセの強い動的グループと止めグループを、 上手く取りまとめられるのは彼らしかいないのです。 なんともナメクジのようなユッターリとした動きですが、 それがなんとも、 ちょうど良い具合になってキリ!とキツイ感じの紙面に潤いと平和を与えます。 まるで水面に浮く流木にようにいろんなオブジェクトと連結します。 なので、 次回からは本格的な新・花形装飾活字「水草」的作法に入っていく訳ですが、 その前に、前説みたいなのをちょろっと書かせてください。 今回一番やりたかったのは「イメージからの解放」です。 すなわちイメージを自由にする事。 視覚的な感覚に及ばないものを視覚化する事で、 美的感覚を日本に帰する事を目的としました。 もしくは、 日本人をグラフィックデザインの幻想から解放出来るようなものを作ろうとしました。 装飾という観点でいうと、 「水草」には細かさや優美さはありません。 ただ、漆や染めとして色に思いを馳せた、 元々の日本的な美意識に願わくばもう一度戻ってきて欲しい。 そしてそれをグラフィックデザインとして還元したのが、 この「水草」であると思ってください。 これから書く事は決して新しいグラフィックデザインの提案ではありません。 何が新しいのか、 平仮名を開発したあの感覚で、 新しい視線でこのグラフィックデザインを今一度見て欲しいと思います。 何度でも書いてやります。 ボクは東京オリンピック以降のグラフィックデザインは間違っていたし失敗だったと思っています。 あの成功をいつまで引きずってるんだか。



花形草食活字を愛でる その129



止めグループを重ね繋ぎ合わせるとどうなるのか。 あんなに紙面を圧倒していた止めグループは、 「静か」になります。 動的グループの時にも説明をしましたが、 ぶつかる瞬間のインパクトは水滴が結合吸収しあう瞬間を、 クローズアップしたという点では共通です。 止まっていたグループは、 ますます止まる事になり、 ますます物質化される事になります。 今回の画像を見て貰うと勘のいい人は既にお気づきかもしれませんが、 それはもう日本庭園の「庭石」を彷彿とさせる形状になっています。 「根」の部分を利用し結合する事で、 元々短かった「根」がさらに短くなり、 ますます楕円としての形状が表に出てくるのです。 とくに止めグループ同士の連結作業は、 静かに慎重に行わなければなりません。 何故なら、 短い「根」なのですが、 十分に空間を切り取る能力があるからです。 出来れば、 お互いの根を合わせるように配置し、 出来るだけ「根」が外に出さないようにしましょう。 基本的に出さないというルールを作ってしまえば、 いざ重要な局面で出すという選択肢によって、 画像のように隔てた空間配置でも、 空間毎の変化を与える事が出来ます。 また、 このように止めグループで遮断する事での、 空間分解は可能になっていますので、 動的グループとも組み合わせる事でも、 紙面への影響を作りだす事が出来ます。 それは追々書いていくとして、 注意点もありまして、 止めグループのみで遮断して空間分解を行う場合は、 出来れば飛び出る「根」の向きが一定の側の方が、 対称となる空間との違いわかりやすいという事です。 これも逆を言えば、 隔てるだけ隔てておいて、 同じ空間にしたりと、 バランスを変えれる訳ですが、 動的グループとのバランスを考えると、 基本所作として一定の方向に「根」の飛び出る方向を同一の空間にすべきかと思います。 あ、それと重力の方向の配慮も忘れずに!! つづく。



花形装飾活字を愛でる その128



止めグループの基本的な使い方です。 止めグループの「根」の特徴は、 向きによる動きではなく、 重力の方向を示していることです。 下向きに配せばリンゴは下に落ち、 上向きに配せばリンゴは上に落ちるという具合で、 異質空間形成のイメージが、 遮断によるものではなく、 空間そのものの重力変化によってもたらされます。 また、 重力の比重の変化を行う事で、 同じ向きのイメージでも違った階層にイメージを構築する事が出来ます。 動的イメージ時に遮断によって得られた空間変化に、 これを加える事で空間のバリエーションを増やす事が出来ます。 この点において気を付けなくてはいけないのは、 物質化された止めのイメージには流動性がなく、 紙面における白い部分は紙面外にはみ出します。 つまり一定の遮断を行った空間での配置は、 紙面そのものへの窮屈さを生み、 情報に圧迫感を与えるという事です。 なので実際のところ今回の画像のような感じで、 多用するのは避けて、 やはり要所要所での見極めで使った方が良いと思います。 コツとしては、「情報」に対して重力の影響を与える事が出来れば、 その時点で使用を控えバランスを整えましょう。 重要な事は、 動的グループと常に一対で考え、 情報にとっていかにすれば丁度良い重力なのかを意識しながら、 配置すればおのずと量や位置、向きがわかります。



花形装飾活字を愛でる その127



動的グループはひとまず置いてといて、 今回の画像は、 止めグループです。 文字通り紙面のイメージが止まります。 前回の動的グループの説明で、 止める機能を紹介しましたが、 これは単独でその機能が備わっています。 形状の特徴としては、 どちらかというと円に近い楕円で、 「根」が腹の部分に短く備わっているのが特徴です。 水草の中で一番小さくイメージも弱い図案のグループですが、 紙面を占めるパワーは動的グループよりも圧倒的強く。 さすがこればっかり集めると紙面に窮屈ささえ感じます。 同じように動的グループを配した場合に、 ここまで紙面における存在感は出せないと思います。 今回は適当に配しましたが、 本来はその都度のポイントに配するのが基本であり、 最初に書きましたが、 紙面の止めるとともに、 小さいですがイメージの受け皿としての役割も担っています。 情報上部に拝した場合には、 押しピン機能も備わっており、 該当する情報を釘付けにする事も出来ます。 「根」の役割については、 受け皿とする対象に向ける事を基本としていますが、 動きすぎる動的グループと同じ向きにする事で、 動きすぎているが止める事なく動きを持続させたい時に、 緩急として使用する場合に役に立ちます。 その逆に配すれば、 「根」の向きが内側になり、 例え動的グループがたくさん繋がって配置されてあっても、 単独で動きを止め内側と外側の異質間を容易に作り出す事が出来ます。 ただし、 今回の画像を見てもらってもわかるように、 圧倒的なパワーを持っているので、 位置づけるという意味ではプラスな方向に働きますが、 動的グループのような使い方では十分な能力を発揮する事は叶わず、 なんとも不細工な紙面を作る事になります。 つまり動的グループの基本所作をしっかりマスターしてからの使用をお勧めします。 その上できっと足りない要素が出てくるので、 それから使い道として使った方が自然な紙面が構成出来ます。 動的グループと止めグループの要素が組み合わさった時の、 紙面構成の面白さは、たまらんものがあるんですが、 それはまだまだ先の話。 止めグループの基本でした。 続く。



花形装飾活字を愛でる その126



停滞したイメージ。 イメージは停滞すると物質となります。 動的イメージもそれは同じで、 流れをぶつけると自ずと動きを止め物質へと変化を遂げます。 このやり方ってのは、 西洋の花形装飾活字図案に見られる特徴でもあって、 あれって結局流動系とかあったけど、 図案内でウマイ事流れを外に出さないように完結させてるんですよね。 それが同時にあれほどの完成度を実現しているだけど。 今回のこの停滞したイメージ。 物質化しているのにも関わらず、 まだ文字が勝っているのに気付きますでしょうか。 それは、 この「水草」今までのイメージの在り方を根本的に変えたからなんですが、 考え方として水滴を主体とすればわかりやすいかもしれません。 その効果というのは、 今回の停滞したイメージに限らず、 一定の流れで動的パターンを使ったとしても実は現れています。 水滴とする事で、 ぶつかるインパクトのイメージを、粒子と粒子が、 融合(吸収でもいいか)するようなイメージでお互いを取り込みあう瞬間を、 クローズアップしているのです。 楕円の形状的も単に綺麗な楕円せず、 このような楕円にしている理由の1つに上記のが言えます。 インパクトの瞬間の力を抜く事で、 むしろお互いがにじり寄ったと言うべきか、 力強さと組合した時の不自然さを一切排し、 むしろ受け入れる形状にする事で、 物体化そして停滞イメージへとスムーズに移行する事が出来ます。 この機能を多様すると、 紙面そのものの視点移動は、 流動的であるその時よりも限定的になる事は避けられず、 情報同士の関連弁としての役割は下がる事になります。 ただし、 それは機能でもあるので、 ウマク使う事が出来れば、 要所要所の情報のイメージの釘付けのような役割を与える事が出来、 また遮断する場合にも、 動的パターンを使用する方法の中では、 最も効果の高い方法であると言えます。 なんだろう、 紙面の無重力感が増す方法、が伝わりやすいかな。 動的パターンの停滞イメージ機能でした。



花形装飾活字を愛でる その125



線路は続くよどこまでも。 動的パターンの基本的な繋ぎ方です。 どこまでも繋がっていきます。 動的パターンの主体は楕円にあらず、 「根」が全てのバランスを左右するので、 その点にだけ気をつけて、 「根」が図案を隔てて一本の線になるように配置すれば、 綺麗にすっきりこのように情報を囲む事が出来ます。 今回はノーマルのサイズで仕込みましたが、 サイズを小さくすれば。 調節しながら情報の周りをくるりと囲む事も出来ます。 また、急に「根」の向きを変える事で、 2つの流れを同じ連結でもたらす事が出来ます。 また外側と内側の要素もあり、 図案毎を見たときに、 楕円部分と「根」とを合わした円になっている内側と中として、 外側を外としています。 これは、 円で囲んだ場合に、 内側となった中が飽和され緩いイメージを持つとともに、 外側が張り詰めたように圧迫されるような緊張的なイメージも持つ事ができるので、 1つの紙面の同じ白であっても、 互い違う空間と認識される事を狙った設計になっています。 また、この効果は囲む事や紙面からの離脱(遮断)をおこなう事で強さが増しますが、 一部の要素として使うことで、 様々な効果を期待する事が出来ます。 これは応用編なのでこれから書いていきます。 線路は続くよどこまでも。 基本的な動的パターンの連結でした。 まだまだ続く。



花形装飾活字を愛でる その124



「動的グループ」 の解説です。 とりあえず、適当にピックアップしました。 形的に今回の画像にある感じのやつが「動的グループ」 です。 とくに組んだり情報に配慮せず、 どこどこと配置しましたが、 明らかに紙面が動いている事がわかります。 このグループの特徴は、 とにかくイメージの「動」にあります。 結構大胆にがつがつ置いたのですが、 動いているので、 文字が沈む事なく、 むしろ一番の存在感(図案そのものの効果もありますが)を持っています。 図案グループの中で一番力強い形状をしていますが、 その逆に紙面を埋めるイメージの強さでいうと一番弱いものとなっています。 また、 これから細かく解説していきますが、 イメージの部分として、 このグループは、 動的な自然現象にリスペクトして組む事を推奨します。 波紋や風、水の流れ、水滴、雷、火、植物の成長の連続…等々、 出来れば具体的な形ではなく、 いわゆる日本的情緒の形を意識して、 要素として組むと図案の特徴を生かす事が出来ます。 ですから、 全体的な配置に関しては日本の庭を参考にしたのはそこにあります。 ただし組む人間がそれを意識しなければ不可能であり、 「水草」を使ったとは言えない訳です。 あ、自由ですよ、自由が前提です。 「水草」を扱う上では恐らく一番使うであろう形です。 ただし、 動的グループの多様は、 紙面に動きを付けて活発な息吹を感じさせる事が可能なのと同時に、 1つだけ注意点がありまして、 注意点というより役割でもあるのですが、 その長さが仇になり紙面上の配置で情報を分断する能力もあるという点です。 また動きを付けると同時に、 版同士の動きを対照的にして組み合わせる事で、 動きをぶつけ合い、 そのバランスで、 せっかく動いていた紙面が一気に止まる危険があるというものです。 逆に、 それを利用する事で活きてくる事も可能なりますので、 これの活用法については後々書いていきますが、 使い慣れてきたら是非その方法も活用してみてください。 なによりも動的グループを多様する場合には、 互いにある近くの図案の向きを意識し、 配する事が大切です。 また、 他のグループと関連を持たせる為の基点にもなりますので、 まあ、そこらへんはおいおいと。 お腹が空きすぎたので今日はこのへんで。 「動的グループ」の解説でした。 当分「動的グループ」が続きます。



花形装飾活字を愛でる その123



うん、いいよ凄くいい。 今回の画像は、 新・花形装飾活字「水草」の基本的な作法として提示します。 今までの花形装飾活字で根本的に違う事がわかるかと思いますが、 まず、 囲まない事が基本です。 配置するという観点で見ると、 よりグラフィックデザインの方法論に沿った近い形になっています。 もちろん囲っても使えますが、 これについては後々解説していきます。 図案は大きく分けて4つのグループに分かれています。 今回上部配している「動的グループ」 下にポツンと配されている「止めグループ」 他に「連結グループ」「異質グループ」に続きます。 これも1ずつ今後説明していきます。 各図案には方向を示す「根」が備えられてます。 これはお互いの図案を関連付ける安全弁のようなものでもあり、 方向を示す指示器のような役割があります。 そして今回の要でもある紙面上での情報の緩急をつけるクッションのような存在でもあります。 今回の図案は「楕円」を基本として構成しておりますので、 どうしても紙面を埋める白と黒とのバランスが、 文字や写真、絵にと対した時に崩れてしまうので、 それを防ぐ役割も与えています。 この「根」のおかげで、 間を空けたときや、 数を少なく配置した場合でも、 容易に互いの関連性を生み出し、 情報を遮断する密度を調整する事に成功しています。 長い「根」や共通している「根」を図案同士で重ねる事で、 2つの図案を1つにも出来、 その可能性を無限大に広げてくれます。 また重ねる作法を使う事で、 書道でいうところの止め、跳ねを自在に操る事も出来ます。 今回の画像のように、 遮断の密度を調整する事で、 右の題目と左の文章とを情報として「切り離さず」に、 関連性を与えながらも「分ける」事が出来ています。 それは情報が増えれば増えるほど有効な手立てであり、 整理とは違う新しいタイポグラフィを可能にもしています。 隔てる密度を調節し整理した上で、 紙面を装飾で埋めるのではない、 まったく逆に在り方を体感出来るかと思います。 あ、 ここで注意なのは、 今回の「水草」では、 上記を読んで勘のいい人は察してるかと思いますが、 この花形装飾活字で情報を飾ることはもちろん、 情報そのものと関連性を持つ事は出来ません。 まあ、やってもいいんですけど、 それはエンスヘデ的な在り方の方が正解なんですよね。 出来ない事はないですが、 おすすめはしません。 重要な事は、 茶室へと導く道筋を作るだけですから。 という事で基本的な作法はまだまだつづきます。



花形装飾活字を愛でる その122

今回、金銭と文章の条件とさせていただきました。 まず文章によるテーマの詳細と狙いを書かせてください。 文章のテーマは、 「私のグラフィックデザイン」です。 意図については少し書かせてもらいましたが、 ここではもう少し突っ込んで書きたいと思います。 単に「グラフィックデザイン」にせず、 「私の」を付けたのには理由があります。 グラフィックデザインの定義については語りつくされてきましたし、 グラフィックデザインとは一体なにかというものを、 わざわざ今になって問う事になんの意味もないと感じたからです。 現在、 ありとあらゆる局面においてグラフィックデザインは使用されています。 重要な事はその局面によって捉え方が異なるという事です。 一概に1つのグラフィックデザインの定義では語れない状況になっている上に、 それらが互いに否定出来ない程度に、 「意味」というものを持ち始めているという現状を目の当たりにした時に、 これはグラフィックデザイン、 あれはグラフィックデザインじゃないと言えない、 なんとも切羽詰った状況になっている事を、 最近になって凄く感じるようになりました。 定義そのものがシーンによって違うのに、 例えば印刷に限定してみれば、 結局同じアウトプットになっているという事は、 グラフィックデザインというものが別の形で一人歩きを始めたのだと、 考えざるえない事になってるような気がします ボクは、 グラフィックデザインそのものが一体何か知る為に、 今まで活動してきました。 でもやっぱり純粋的な部分として、 思いの他、 今の状況が切羽詰っている(何回も書いてすいません…)んです。 それは凄く感じます。 グラフィックデザインは何かではもう遅いような気もしているのです。 「水草」を餌に文章を集めようとしていますが、 本当のところ、 これが幾つも集まる事は凄い価値だと思います。 活躍とか有名どころじゃなくって、 土方の部分としてグラフィックデザインは、 どのように受け入れられているのか、 そろそろ共通認識としてあってもいいような気がしているんです。 それは分野や職業によって様々だと思います。 是非、教えてください。 もう一度書きます。 狙いとしては、 とくにあなたの考えるグラフィックデザインという1つの価値ををテーマとして掲げている訳ではありません。 あなたが直面しているグラフィックデザインの事を知りたいと思い、 このテーマにさせていただきました。 ただただグラフィックデザインとはこういうものなんだよ、 こういう風にしなくちゃいけないんだよ、 なんて聞きたくもないです。 そんなの目に穴が開くほど書籍で読んだし、 実際に今はそうじゃないもんね(知る価値があるけれど)。 その中で矛盾が生まれているとか奇跡が起こっているとか、 絶対あると思うんだよね。 それも是非教えてください。 ただ、別に限定的でもないという事も悪しからずな感じでお願いします。 もちろん、あなたが考えるセンセーショナルな、 こんなんどや!みたいな熱いグラフィック論もお待ちしてます。 質問ありましたらお気軽に。 7000文字なんて簡単ですよ。 最初10000文字にしようかと思ったのだけど、 優しさで7000文字です。 だって3,4日ありゃ、 1つの衝動だけでこの「花形装飾活字を愛でる」でさえ10000文字超えてるんで、 簡単簡単(笑、お待ちしてます。 金額については、 最初から10000円と決めていました。 どんなものが出来ようとも作る前から決めていました。 文章を書くんがめんどくさい儲かってる人は是非お願いします。 この貧乏な探求者の、 次の研究費としての協賛金としてお願いします。



花形装飾活字を愛でる その121



結局何を作ったのか。 ここからは庭とか日本的にとかは無しで書きます。 背景としては前回までの内容は正しいのだけど、 実際問題、出来上がったものが、 現在の視点やカルチャーに沿わないというのでは、 意味が無いので、 じゃあ、なんなのよと言う意味も含めて書いていきます。 今回の制作は、 いかに囲まなくても繋がなくても、 1つの紙面の空間を隔てられるかという点と、 隔てたときにいかに差異というか異質空間のようなものを作り上げる事が出来るか、 という点を要に考えて制作しました。 もちろん繋いでも囲んでも大丈夫なのですが、 その時に両方で使えて、 両方の場合にその効果とイメージが変えられるという事にも気を配りました。 それとシンメトリーではなくアシンメトリーに配置した際に、 バランスが崩れない形である事、 その場合に遠くにおいてもその関連性を保てるという事、 逆にシンメトリーに配した時に、 幾何学としての一定のルールを得られる事もクリアの条件としました。 絵や、写真との相性についても、 出来るだけイメージの階層を低く設定しましたので、 邪魔になる事は一切なく、 その上で額としての異質空間への誘導という機能は保持しました。 同時に文字を配したとしても、 額としての機能を維持しつつ被る事なく、 配置によっても対象となる絵や写真との関連性の有無を設定出来るようになっています。 またバランスを工夫すれば、 どちらを主役の情報として扱うかもコントロールが出来ます。 そして、 紙への印刷(とくに活版で)を想定しパスのアウトライン化を行っています。 もちろんモニター上での完結でも使う事が出来ますが、 印刷をした時により魅力が発揮出来るように設計とアウトライン化をしています この点においても西洋的な印刷技術の根本を崩し、 日本における書道の際に墨汁が紙に滲む独特な広がりも再現しています。 最初、版画の際の膠独特な滲みの広がりを再現しようとしましたが、 デザインした図案を木版画作って刷って、 それをトレースといった膨大な作業量が待っている事に気付き断念しました。 けど、図案の数を減らして今度挑戦したいでっす。きっといいと思う。 それはさておき、 デジタルデータですから、 拡大縮小、回転、対称、くっつけたり切ったり、加工編集思いのままです。 その気になりれば上手いこと重ねたら違和感なく1つの図案として使えるようにもなっているので、図案そのものは310種類程度ですが、 その数は無限に増やす事も可能です。 もちろん活字というルールに則って配置しても面白いと思います。 ただ、やはり気を付けなくてはいけないのは、 グラフィックデザインにおいての、 イメージの階層(印刷は抜きにして)についてです。 現在、 絵、写真、文字、 この3つの領域のみが存在し、 いずれかのサジ加減によって、 制作が行われています。 もちろんこれは花形装飾活字が入ろうとも変わる事はなく、 単なる「絵」としての情報のみがクローズアップされるのみです。 重要な事は、 どんなに意味を含ませようとも文章で書こうとも、 グラフィックデザイン上の全ての事象は視覚的な憶測にすぎないのです。 搾取者にとって、 これら制作者の意図や配慮は問題等ではなく、 単に、 目の前にある情報に対してのみ価値があるという訳です。 例えば、 本のグラフィックデザインには情報と等価の視覚的憶測等は存在せず、 本そのものの情報性(作家や作品)のみに集約される存在であり、 それを彩るなんらかのカルチャー的装飾については、 残念ながらグラフィックデザインの域を出ないという結論に達する訳です。 つまり、 美術ではないしアートでもないというものです。 そこで、 新・花形装飾活字「水草」は何を目指したのでしょうか。 何度も書きますが、 単なる装飾なら活字という名前も、 ましてや花形なんて名前さえも必要がない訳です。 あくまでこれは活字による情報群を整理する為のツールであり、 とくに日本語書体をよりかっこよく魅せ、 英字を含むタイポグラフィの在り方に新しい風(アールヌーボのような)を、 吹き込むものであると言い切ってしまいます。 絵や、写真ありきのグラフィックデザインではなく、 文字そのものの美しさを際立たせ一助になるのではと期待もしています。 それと同時に、 この新しい方法論を学ぶ事により、 幾何学のような視覚的魔術からの脱出と、 「デザインとは何か。」といういい加減、 戦後の東京オリンピック以降の高度経済成長期のようなデザイン幻想から、 ぼちぼち目覚めちゃった方がいいんではないかという思いも込められています。 が、 やはりツールです。 使いにくければ意味がありません。 その点に関してはこれから書いていきますが、 これだけは断言しときます。 初心者からヘビーユーザーまで幅広く使えるものに仕上がっています。 使えば使う程に味が出てきます。 ただ、 ずっと西洋のタイポグラフィやグラフィックデザインに慣れ親しんだ人は使いにくいかもしれません。 とくに広告デザインしてる人は躊躇かも。 日頃に友禅や日本画、着物や日本文化に慣れ親しんで、 積極的に関わってる人はすんなり使えると思います。 今回の制作ので最初の理由が、 現在のグラフィックデザインへの疑問の払拭と可能性の模索だったので、 そういう点においては「水草」は成功だと褒めてあげてください。 ただ、やはり使って貰わないと意味がないのでしょう。 今のとこ思いつくだけの書きたい事書いたし、 ボチボチ概要編についてはお開き(思い出したら書くけど)したいのですが、 何故、この金額と文章の文字数なのかは、 次回へ続く。









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