花形装飾活字を愛でる その42


2292と2293。 これは多分、 当時の現代的な可能性の中で、 新しい模索としてバトンタッチ的な役割として、 実験的に制作したような気がします。 なによりも、 これだけ他とトーンが違うのです。 曲線、装飾、バランス。 どれをとっても明らかに他と違うのがわかります。 線の重なりも他の版よりも多いですし、 一番印象的だったのは線が細いという事です。 この細さを助長しているのが、 版の大きさに対しての線の量です。 伝統的とは対象的に、 どこかミニマルな要素を感じます。 1900年代に入ると、 花形装飾活字の過渡期になるわけですが、 より派手なものになってきます。 この頃といえば、 写真が印刷の領域に入ってくる激動の時代ですし、 その中で花形装飾としての存在を示す為にという事で納得がいきます。 が、しかし、 この装飾はその逆を行く発想です。 どちらかというと、 1900年代は派手ではありますが発想そのものがチープで、 既にあるものをアレンジしただけの流用的なものが多いような気がします。 その中でコンピュータとオフセット印刷の介入により、 花形装飾の世界は一気に廃れて行く訳ですが、 その中で今回のこれは正当的に次への可能性を示唆した版であるには、 間違いないと言わずにはいられないのです。 むしろ新しささえ感じます。 つまりこの後、 このシリーズは伝統的なものを保管しつつ、 ミニマルな方向へ進むはずだったが、 時代がそれを許さなかったという事ではないでしょうか。 もしかしたら、 これはシリーズ60ですから、 その後の型番でそれが見られていたかもしれません。 残念ながら、 その資料は手元にありませんし、 それを手に入れる術もありません。 心当たりのある方は是非具体的な情報をお待ちしています。 そして出来れば、 その実際の版見本をコピーでもいいのでいただければと思います。 是非、今回のデータと交換しましょう。 あ、 実は今回で、 全種類の解説が最終回です。 最初から読んでくれた人も、途中からの人も、 読んでくれた人全てに感謝を申し上げます。 最後の方は書く事がなくなって間延びした感がありましたが、 この時を迎えられて嬉しいです。 次回からは(まだ続きます)、 花形装飾や印刷の全体の世界にまで視野を広め、 応用的なものからそのアウトラインを含む文章を書けたらと思います。 興味がありましたら、是非ご購読お待ちしております。 そして最後に、 こちらのデータをお使いいただいている方に、 今回こちらで、 例として組んだもの全てを対象に、 ご希望のデータを差し上げたいと思います。 また、これから連載していく中で、 発生するデータについても対象にいたしますので、 お気軽にお問い合わせください。 お待ちしております









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