花形装飾活字を愛でる その71

前回の続きからです。 印面を「彫る」という概念でシュミレートし、 それをアウトラインというシステムでどう再現するかについて前回書きました。 今回は、 それに基づいてどんな懐の元で実現したかを書いていきます。 ただし、 あくまで懐の話なので、 利用を制限するものではない事を予め伝えておきます。 印面を彫るという事は、 基本でありベーシックである底を、 物質に委ねるという事になります。 理論に委ねるのとの大きな違いは、 正しさの差異とでもいいましょうか。 両方とも間違っていないのです。 例えば、 当時は鉛だったでしょうか銀だったでしょうか、 おそらく銀だったでしょう。 デザインを設計し、 銀に対して彫る、または流し込むという概念を与える事で、 物質化し、 それを利用する事で活版は成り立ちます。 その場合、 印刷された紙面は、 彫られた版に依存する事になります。 その概念を採用するのが物質に委ねるという事なのでしょう。 理論に委ねるというのは、 設計部分のみを汲み取り、 まっさら綺麗な失敗の無い版をシュミレートするといったものです。 考え方としては他にもありそうですが、 大きく分けてこの2つになります。 そして今回。 今回のメインにドッシリ置いたのが物質に委ねるという事でした。 が、 当時の銀版や雛形を再現するのでしたら、 コンピュータではなく手彫りにこだわればいいのです。 それは今回の場合は違うのでしょう。 いかにコンピュータでの利用を促すかがテーマでもありますし、 その可能性の大きさを感じたからこそ、 この作業の始まりがある訳です。 出来れば到着点、着地点としては、 考えられる限りのものにするべきですし、 利用の幅を最大限に引き出せるような在り方が望ましいと考えました。 版の正しさよりも利用のロケーションや方法を選ばないものを目指しました。 単純に当時の銀版や雛形を手に入れるのは無理です。 かといって正確な印刷見本なんてそうそう出会えるもんじゃござんせん。 その中で発想としては、 紙面に刷られるインクの部分が全てであり、 そもそもの印面、もしくは彫られた印面もまたその要素であると考えたのです。 設計理論に沿った正しき版は正しき版として素晴らしいですが、 なんといっても、 今回の場合というのは、 正しさよりも利用の際のその再現性を目指す事にしました。 要素として印面もまた花形装飾活字の美しさの形成する1つでありますし、 印面をシュミレートする事によって、 そこから正しき設計への修正もまた可能であると気付いた事にあります。 つまり、 正しき設計はどうなのかというのは続く。









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